そのときに導入したのがdroboというストレージデバイス。「ディーロボ」と読むそうですが,初めて記事で読んだときから「ドロボー」としか読めません。社内では既に愛称となっています。
いくつかグレードがあるなかで購入したのは drobo Pro。
http://www.drobojapan.jp/drobo_pro.html
3.5インチATAのHDDを8台搭載できます。最初は1台でもよく,必要に応じて追加すれば自動的に容量を拡張してくれます。しかもHDDの容量,メーカー,回転速度はばらばらでも問題なし。独自のRAID機構でHDDの故障時も別のHDDを入れ替えるだけで停止することなく回復します。
検討する上で必要な条件は単純にまとめると以下の通り。
- 大容量
- 高速
- iSCSI可
そういうわけで,まずiSCSIが使えないNASは除外。社内のサーバーはほぼ全てWindows Serverなので,ファイルシステムはNTFSが望ましい。そうなるとiSCSiでWindows Serverのローカルドライブとして使うか,Windows Storage ServerをOSとした機種かということになります。まず後者を検討しましたが,バージョンが2008となると,あまり種類もなく,検索すると以下のNASが良さそうでした。ちなみにサーバーとPCで採用しているデルのストレージは予算が合わないのでパス。
iSCSIも使えるし,スペックも良さそう。ただ,droboの自由度は魅力でした。ProグレードならiSCSIでWindows Serverのローカルドライブとして使えますし,HDDも8台使えるとなれば2TBを使ったとして容量は最大で16TB(実際にはRAIDのため12.41TBになった)。ファイルサーバー内のデータ全部と仮想サーバーすべてを丸ごと保存しても問題ない容量が手に入ります。
つまりこんな結論に。
- 16TBの大容量
- RAIDでリスク対応
- HDDの管理が簡易
- 必要な容量からのスモールスタートで初期コストが低いので稟議に有利
- そもそも価格がそんなに高くない
- iSCSIでWindows Serverのローカルドライブとして使用可なので,共有もできるし仮想マシンのストレージにもなる
本体の梱包を解いてHDD4台を装着。電源とLANケーブルを挿して設置。10分で終わる作業。あとはサーバーに管理用ソフトウェアをインストールし,iSCSIで接続して完了。
一部を自らのバックアップ領域とし,あとは共有して他のサーバーのバックアップ領域としました。
iSCSIイニシエータを使ってIPアドレスを設定。 |
成功するとこんな感じ |
現在はさらに4台追加したので,計8台 |
まだまだ余裕があります |
その後,HDDを4台追加したが,これも5分で作業終了しました。
試しに1台抜いてみましたが,まったく動作に問題はありませんでした。そのHDDをもう一度元の場所に戻すと,再び容量が戻りました。
実を言うとHDD4台追加のとき,最初は各HDDのインジケーターが点灯せず,「不良?故障?」と一瞬焦ったのですが,再起動すると正常に動作するようになり,以後問題は発生していません。
ちなみに,純粋にバックアップとして使用しているので,仮にdrobo自体が故障しても業務に影響はありません。droboをストレージとする仮想マシンもバックアップ処理専用です。
災害対策として遠隔地バックアップもしていますが,これはまた別の話。